ある程度の年齢になれば体の不調が出てくるのは当然のこと
わかってはいるけども、いざ家族ががんの告知を受けると心にずっしりと重みをともないます
これからどうなっていくのか?
自分はどうしたらいいのか?
不安や悩みはつきません
突然の告知で動揺は隠せませんが、こんな一例もあるんだ、みたいな感じでおつきあいいただければと思います
大腸がんの告知
親の病に向き合う瞬間は突然やってくる
おなかの調子が悪い、と1ヶ月かけて検査をしていた父
前日から大腸検査のための食事制限をして、数時間前に検査をしに行くと言って病院へ行った父から
「家族が一緒じゃないと検査結果を教えてくれないから今、病院に来てくれ」そんな電話があって急いで病院へ駆けつけました
父とともに診察室へ通され、撮影した大腸内の写真を見せてもらいました
腸の中ってこんななのか…意外とつるつるしてキレイだな
そんなことを思いながら見ているうちにボコボコ盛り上がった部分がが見えてきました
「ここに腫瘍があります、これががんです」と
「えっ?これががんですか?」はじめてみるわたしはびっくり
ただのお肉の塊にしか見えないものが「がん」なのか…
しかも、こんなにもあっさり告知ってするもんなんだな、って二重にびっくり
告知を受けるのはやっぱりショック
わざわざ呼ばれたってことは…
なんとなくそうなんじゃないかな、と病院までの道のりで心の準備はしていました
心の準備はしていたけれど、実際にお医者さんから直接がんだと告知を受けるのはショックを受けるものです
血が上って顔が火照ってるんだけど、指先が冷たくて体中の力が抜けていくような感覚
ただ、冷静に話を聞かなきゃ、ともうひとりの私
がんが見つかったと言ったきり何もおっしゃらない先生
さすがの父も何も言わない
どのくらいの進行具合なのか?
すごく気にはなってるんだけど、本人を目の前にそれを聞くのははばかられる
だって良くない状況だったら…
なんとか気持ちを持ち直して「がんを治すためにはなにをしたらいいのですか?」と質問
きっと私達の状況を観察していたんであろう先生が、なんというかはっきりしない感じで話し始めます
「がんを治すためには手術をして腫瘍を切ってしまうのも方法のひとつです」
父は案外冷静
「治るんだったら切っちゃってくれよ」
ごちゃごちゃ考えない、治るんだったらさっさとやっちゃってくれという、いつもの父ちゃん節
今日切ってくれと言い出しかねない
いや、さすがだなと物怖じしない強さに関心してしまいました
先生の話を聞いていくと父の場合
- 腫瘍がかなり大きいので切除範囲が広くなってしまう
- だから切り取るとなると人工肛門を取り付ける事になる
- もしかしたら肝臓に転移もあるかもしれない
- 転移があれば手術で治すのは難しい
要約するとこんなことでした
父の治そうとする前向きな強さにほっとする一方で、私としてはやっぱり手術のリスクの方が気になるわけです
74歳だし、糖尿病とか持病も抱えてるし…
それに転移があったら手術が無駄になっちゃわない?
体力削るだけな気がする
人工肛門にすればおなかの痛みも無くなるよって言うけども
簡単に言うけども、それってどうなの?
知識も経験もがないんだからさ
お願いだからなんとか、つらくない方法で治してほしい…
不安になったり心の中で悪態をついたり懇願するような気持ちになったり
もう感情が忙しいです
病理診断のあとに治療法は決まります
どのような治療法にしていくかは1週間後に詳しい診断結果がでるので、それを確認してからこれからの治療方法を決めよう
それまでにご家族で手術を含めてどのようにしていきたいのか話し合っておいてください
そう言われて診察室をあとにしました
「いやぁ〜まいっちゃったなぁ~なんとなくわかってたけど、がんだってさ」と父
ふだんと変わらない?いや、ちょっと感情が昂ってるかな
私が気にしてるからと多少ムリはしているのかもしれない
それでも落ち込んでるような様子もなく、前向きな父にちょっとほっとしました
1週間後の正式な判断をされるまでに、これからのことを考えなければいけません
さっき先生が話してくれたことを自分なりに分析しておかないと
- 手術をするのか?
- それ以外の治療方法はないのか?
病院帰りの車内、なんだかそわそわしてる父
なんだか若干、車のスピードも早いような…
そりゃそうだよね…どうなるのかこれからのこと、気が気じゃないよね
なんとなく焦っちゃうような気持ちにもなってくるよね
???
でもこの道、家に帰るルートじゃないね?
「どこか寄ってくの?」
「おぅ、もう昨日からまともな飯食ってないから腹減って仕方ねぇんだよ。マック食う、マック!」
お、お〜…お強い
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